アニメとゲーム好きなテキトーなブログ

なかなか継続できないけど頑張る

秒速五センチメートルという作品を見てほしい

こんにちは。

みなさんは新海誠さんを知っていますでしょうか?

新海さんといえば、君の名は。や天気の子が有名です。どちらの作品も大ヒットを記録しました。

新海さんの作品で僕が一番好きな作品が秒速五センチメートルという作品になります。

こんな感じの絵です。新海さんの作品はどの作品も本当に絵がきれいですよね。

確かですが、この美しい絵を見ることにって現実も美しいんだってことに気付いてほしいというメッセージが込められているんだそうです。

秒速五センチメートルは恋愛映画に分類されると思います。しかし恋愛映画と言ってみなさんがすぐに思いつくであろうものは、君の膵臓を食べたいとかタイタニックとかだと思います。僕もいろいろな映画を見ていてこれらの作品も好きではあるのですが、秒速五センチメートルは初めて見る人には衝撃的な内容だと思います。

 

個人的にですが、漫画、アニメ、映画っていうのは現実から離れるという側面を持っているのかなあって思っています。秒速五センチメートルの最大の特徴として現実に即しすぎているってことが挙げられると思います。

もちろん病気で死んでしまう女の子もいますし、船が沈没したっていうのも実話ではありますが人生で体験するかって言われたらほとんどの人は残念ながら(必然として?)体験しません。

秒速五センチメートルは現実で起こりうるというのが特徴になっています。

秒速五センチメートルは三部構成の作品となっていて第一話が桜花抄、第二話がコスモナウト、第三話が秒速五センチメートルって題になっています。

第一話は誰もが体験する初恋の話です。男女の二人の間の時間的、物理的距離がこれでもかというほど濃縮されています。主人公の貴樹くんはヒロインの明里ちゃんと打ち解け仲良くなっていきます。しかし明里は栃木へ、貴樹は鹿児島への引っ越しが決まってしまう。絶望的に遠くなってしまうので最後に二人は会いに行きます。

第二話は鹿児島の種子島に引っ越した貴樹と、鹿児島の高校の花苗にフォーカスされています。ちなみに第一話が小学校中学校時代、第二話が高校、第三話が社会人になった貴樹君を描いています。

第二話では貴樹くんに好意を持っている花苗と貴樹の間が描かれます。しかし鹿児島に行っても貴樹君は明里のことを忘れられなかったのでしょう。貴樹くんは花苗にやさしくしますが、心はどこをむいているんでしょうか。花苗はけっきょく貴樹くんが自分なんか見ていないことに気づいて、告白できず、これからずっと貴樹くんのことが好きなんだって思いをうちに秘めたまま泣きながら眠ってしまうシーンで終わります。

 

いやー初恋の人って忘れられないですよね。こんなことを書くと男女差別だって人もいるかもしれないですが僕も昔のことを引きづる人間なので貴樹くんの気持ちは痛いほどわかります。二話の貴樹くんをまったく共感できないって人も一定数いるみたいなのでおそらくここを共感できる人は引きづるタイプなんでしょうね。

で、二話では明里ちゃんの様子はほとんど描かれません。明里ちゃんの様子は第三話で描かれます。

第三話は前述のとおり社会人になった貴樹くんが描かれます。貴樹くんは一応女性と三年間付き合います。じかし三年間付き合った女性からある日別れを切り出されます。「あなたのことは今でも好きです。でも私たちは1000回もメールをやり取りして心は一センチくらいしか近づけませんでした。」と。

明里も初めは貴樹くんのことを心に秘めていたようです。しかし明里はほかの誰かと結婚してしまいます。

個人的に一番心に響いたのは「ここ数年間とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのか、ほとんど脅迫的ともいえるような思いがどこから湧いてくるのかもわからずにとにかく僕はただ働き続け、気づけば日々弾力を失っていく心がひたすらつらかった。そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いがきれいに失われていることに僕は気づき、もう限界だと知ったとき会社をやめた」というセリフです。

僕も大学、大学院と進学していますが、本当に心が弾力を失っていることに気づきます。気づけばルーティンの毎日。好きな人のことを考えるより日々生活していくだけで精いっぱい。貴樹くんは人生において本当に大切なものっていうのにようやく気づけたのではないでしょうか。人生において大切なのは大学に行くとか、会社にいってお金を稼ぐかではないんです。

おそらく貴樹くんは、明里と岩船の駅で別れたその日から、人とあまり向き合えなかったんだと思います。いつでも心のどこかには明里のことがありました。しかし現実というものは残酷なもので否応なく時間は経過し、働いたりしなければいけません。

もちろん働くことが大事じゃないってことが言いたいのではありません。でも人とちゃんと向き合う、心の余裕を持つってことは働くなんてことより何倍も何十倍も大事なんです。

最後、貴樹くんと明里の人生が走馬灯のようにエンドロールで流れ、小田急線の踏切で二人はすれ違います。

貴樹くんが振り返ったその時、電車が通過。もうすぐ電車が通過するって時に対向の電車までやってきます。(この描写考えた新海さんドSでは?)

電車がすれ違ったその時、明里は、

いませんでした。貴樹は心機一転して人生を生きていくって決意するところで作品は終わります。

 

若干ネタバレを含んでいますが、この記事では秒速五センチメートルの魅力の何億分の一の魅力も伝えられてないと思います。百聞は一見にしかずってことでとにかく見てみてください。

ではこのへんで。また気が向いたらなんか書きます。